会社として取り組む姿勢を伝える 外部のハラスメント相談窓口を設置 株式会社加藤研磨製作所
若手への指導方法の見直しから具体的な取組へ

昔は職人の世界だったため、若手への指導方法がパワーハラスメントになる可能性を常に考慮していました。そこで管理職には指導方法の外部講習を受けてもらい、パワーハラスメントと受け取られないような指導方法を学んでもらいました。
さらに、中小企業に対する職場のパワーハラスメント防止措置の義務化をきっかけに、より具体的な取組を検討し始めました。
例えば、ハラスメント防止法が施行される1か月前に、全社員へ「何がハラスメントにあたるのか?」というパンフレットを配布し、会社としてのハラスメント対策に取り組む姿勢を社長から全社員へ伝えました。
その後、ハラスメント相談窓口を設置し、営業部長、工場長、経理総務部長など担当者を複数名設け、話しやすい担当者に相談するように伝えています。一方で社員が61名と小さい会社なので、「相談したことがわかってしまうのが嫌だ」という意見もありました。そこで外部機関であるハラスメントダイヤルにも直接相談ができるようにし、制度を社内に掲示して周知しています。
パンフレットの配布や就業規則への記載でハラスメントが起こらない空気づくり

社内にハラスメント対策をより浸透させていくための施策として、既存社員にはハラスメント防止のパンフレットを年1回配布し、食堂掲示板と廊下にも掲示しています。
また、新入社員には入社時のオリエンテーションでハラスメントについて詳しく説明しています。その際、就業規則の服務規程にもハラスメントについて記載があることを説明し、重ねて理解を求めています。
対策をして起きた変化として、ハラスメントがいけないことであるという空気に変わったことです。一番感じるのは、特に、年配の技術者から若手技術者へ指導を行う際の言葉遣いが丁寧になったと感じます。
窓口への相談をきっかけに、言葉遣いや指導方法を厳重注意することもありました。訴えに対しても、すぐに対応することにしています。
毎年社員全員と上長が面談をして、評価や業務内容、会社で困っていること等について色々と話すのですが、「指導方法でキツイ言い方をされた」といった具体的な相談があがるようにもなりました。
また、女性社員からは「ハラスメント対策をしっかりやっている印象があるので、会社のイベントにも参加しやすい」との意見がありました。
会社全体としてハラスメント対策をし、相手への言葉遣いや接し方が変わってきたことで、新入社員を気持ちよく受け入れる土台ができていると感じます。
今後は採用活動時に、ハラスメント対策をしっかり実施している会社だということをアピールして、良い人材の採用に繋がれば嬉しいです。
(取材:経理総務部)

- ■会社名
- 株式会社加藤研磨製作所
- ■本社所在地
- 東京都大田区西糀谷2-7-3
- ■従業員数
- 61名(令和6年5月31日現在)
- ■事業内容
- 東京都大田区にて設立70年。研削加工という技術を使い1,000分の1ミリ単位で超精密部品を製造する技術力が特徴。
自動車、半導体、工作機械、軸受などの大手メーカーが顧客。ものづくりの上流部分で使われる単品小ロットの精密部品製造に特化。
「明日の日本を支える元気なモノ作り中小企業300社」の受賞歴がある。積極的な設備投資と若手人材の採用、育成に自信。 - ■ホームページ
- https://www.kato-kenma.com